ニシノマジョカラ ヒガシノマジョヘ
2013年 01月 08日
7~8年前、ある歌人さんから教えていただいた小説、「西の魔女が死んだ」。
「本当はジャンル的には児童書なんだけど、大人がちゃんと感動できるお話だから」「すごくいい」と勧められて、当時、文庫本を買って読みました。
以来ずっと、大好きな小説作品の中の一つです。
それから1~2年が経って、2008年に映画化され、恵比寿とか銀座とかの限られた映画館で上映されました。
目黒の駅で、大きなポスターを眺めて、「絶対観たい・・」と思ったのですが、結局観れないまま終わってしまって、「まぁ原作読んで感動した作品って、映像作品でがっかりすることもあるし・・」と見逃した自分を宥めつつ、その後DVDを借りる事もないまま、この間の週末に至りました。
小説は、「そんなに勧めるなら・・」「でも児童書だし感動って言っても大人が読む分においては、そこそこの感動なのだろう」と思っていたけれど、最後から3ページめの、たった2行、全てカタカナで書かれたページをめくった瞬間、私は自分の部屋で号泣してしまって、当時の同居人が、リビングから私の部屋を見に来たほど。。「・・ゆん、大丈夫?」と。
ネタバレになるので、そのカタカナの2行めの言葉は伏せておきますが、数年後の先日、ふと思い立って、DVDで映画を観る事にしました。
おばあちゃんを演じるにはまだ若い当時52歳のサチコ・パーカーの、見事な祖母役は、原作を裏切りませんでした。
原作で泣いたシーンは、今でも変わりなく、瞬時に胸を締め付けました。
原作を知らないまま、映画だけを観ても、きっと泣けるほどではなかったかもしれません。
原作を読んでから映像を見ると、映像化されたものが何倍も輝ける作品は、少ないかもしれません。
原作が良いと思えた作品の多くは、映像作品に物足りなさを感じたり、ちょっと違う世界観になっていたり、配役に違和感を感じたりすることが多い気がするのですが、この映画は、原作をちゃんと髣髴とさせてくれました。
ただ、やっぱり濃密さは原作には適いませんが。その不足分を補って埋めたのが、主演のサチコ・パーカーだったと思います。
ニシノマジョカラ ヒガシノ マジョヘ・・・
この後に続くカタカナだけのメッセージは、数年たった今でも、心を締め付けます。
もしご覧になる際は、映画の前に、原作をどうぞ。
by junkers-by-yun
| 2013-01-08 01:16
| 非日常