きらきらひかる
2013年 10月 12日
写真は原宿の隠れ家。
金曜の夜でも静かに飲める、格別の隠れ家です。
きらきらひかる、が好きです。
あ、深津さんが演じた監察医のドラマの方のきらきらひかるではなく、
江國香織氏の、きらきらひかるの方。
小説版は91年に発表され、映画化されたのは、92年だったと記憶。
最後に読んでから、もうだいぶ経ちますが。
昨夜偶然に、ネット徘徊していたら、映画版の予告を見つけ、懐かしくなって、小説引っ張りだして、つらつら再読してしまいました。
ある不思議な夫婦の、奇妙な新婚生活と、夫の愛人の青年と、両家両親が介入する心理推移が、切ないお話です。
「私、心がおかしいでしょ?」
「別に…。俺、男と付き合う人なんだ」
アルコール依存症で精神が揺れやすい妻と、
医師という社会的成功を得ながらも世に理解されにくい秘密を持つ、同棲愛者の夫。
夫の愛人の大学生の青年。
お互いの社会不適合性を埋める為だけの偽装結婚であったはずなのに、3人の心理の移り変わりで、揺れていくお話です。
「何…、今なんて言ったの⁉︎」
「ショウコにも恋人が必要だって言ったんだ…」
酔って絡む妻に、愛人を作れと愛情として言う夫。
こんな会話、普通夫婦でしたりしない。
ムツキの父親もショウコに、
「君は、他にいい人を探すといい」と言います。
「だって、ムツキは一人しかいないもん」
毅然と義父に返したショウコのセリフが、この小説を読み続けた20年間で、今一番、ずっしりと、お腹の奥深くの方に染みた気がしました。
それから、なんとなくGOODLUCK!を観ていた延長で、安堂ロイド、観ました。
安堂麻陽の葛藤とか、衝動とか、激情とか。
奪われることも、失うことも、面影を追うことも、現実を受け入れる苦渋も、簡単じゃない。
代わりなんで、誰にも存在しないのです。
by junkers-by-yun
| 2013-10-12 03:53
| 非日常